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入社から半年が経って

 年末が近づきやっと十勝でも雪が積もり始め、本格的な冬を感じる季節となってまいりました。日頃よりお世話になっております皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 久しぶりのホームページ更新となってしまいました。今回は見出しの通り、私後藤が入社してからの半年と少しを振り返る回となります。農家様・関係者様へのご報告のみならず弊社に興味を持ってくださった獣医学生の目にも留まることを期待しながら書かせていただきます。少し長めですが小ネタもはさみましたので一読いただけると幸いです。



 リグ(事務所の番犬)に吠えられながらの初出勤。会社の先輩方からは温かく迎えられ、初日から早速診療の随行が始まりました。先輩の診療を見るところから始まり、聴診・採血・筋注等簡単な手技から少しずつやらせていただきました。大学で何度もやったはずなのに緊張で手が震え、自分に注射したこともあります。大学から臨床現場に出て、学生から獣医師になったという実感がいい意味で緊張につながっていたのだと思います。それでも何度も繰り返すうちに少しずつ慣れてスムーズに動けるようになっていきました。手術も4月から臍帯炎・第四胃変位・帝王切開などに立ち会うことができ、初めは見るだけでしたが次第に部分的にやらせていただき夏前には先輩監修のもと四変オペは一通り執刀できるようになっていました。農家様が新人の私にも快く治療をさせてくださったことで春のうちから多くの経験を積むことができました。診療所に戻ってからはカルテ入力等の事務作業でこちらも覚えることがたくさんありましたが先輩が何度も丁寧に教えてくださるので悩むことなく進められました。
 午前中は随行で学び、それと並行して初めの数カ月で特に注力したのが繁殖検診手技でした。弊社では受精卵移植を主な業務の一つとしており、その技術習得のためのベースとして直腸検査・子宮内薬剤注入・超音波検査等の練習を重ねました。午後の空いている時間に農家様に赴き練習させていただくこともありました。お陰様でより早く技術習得できたと感じております。練習するたびにできることが増えたのは純粋に楽しく、モチベーションが高まりました。
 
 余談ですが春は狂犬病の予防注射の時期でもありました。大変元気なワンちゃんが多く、牛への注射よりよっぽど緊張しましたがいつもと違うエキサイティングな業務でやりがいがありました。来年もワクチン接種へのご協力よろしくお願いいたします。

                    事前出社時の一枚 今よりちょっと若い?


                     番犬リグ ちょっとまだ距離感があるとき


                           穏やかな春でした


 随行にも慣れてきた頃、繁殖検診や投薬を任せていただく機会が増えてより一層仕事に責任感を感じるようになっていました。教科書で勉強することもありましたがやはり現場から学ぶことが圧倒的に多かったです。先輩だけでなく農家様から聞いたお話も大変勉強になり、獣医師側からだけでない多角的な視点を持つことの重要性を認識しました。
 7月は受精卵移植および一人診療デビューの月でした。受精卵移植は農家様のご厚意で突然のデビューとなり、春から練習は重ねていたもののかなり緊張しながら行いました。時間はかかりましたが移植でき受胎もし、忘れられない人生初の受精卵移植となりました。その後も順調に件数を重ねており、現在は年度内100頭以上を目指して頑張っています。回を重ねるごとに新たな課題が出てきますが、一回一回を丁寧に行いさらに高い受胎率を目指して精進いたします。
 一人診療デビューは7月最終週でした。前週から決まってはいたものの独り立ち初日は嬉しさと不安が入り混じった心境でした。最初は治療云々よりも農家様に情報を伝えることが難しく感じました。牛の状態や提示した治療の必要性、さらには予後までをどう伝えるか、頭では理解しているつもりでも言葉にするのは意外と思ったようにいかず、似たような症例をいくつも経験し足りない知識を補填することを繰り返していくほかないと感じました。治療に関しては診療以外の時間で各疾病に対しての診断基準や薬剤選択、投薬量等を先輩にご教授いただきながらまとめて自分の中での治療基準を作りました。今後も学びがある度に柔軟に改変していき、その時にベストな治療ができるよう心掛けていきたいです。またこの資料が将来の後輩の役にも立つと嬉しいです。
 またまた余談ですが実は春からコツコツと事務所の庭を整備していました。仕事以外でもできることは自由にやらせてもらえるのが弊社の魅力の一つです。雑草を除去し、木を剪定し、芝を蒔くところまでは順調だったのですが夏前の気温上昇と集中した雨を皮切りに根絶やしにしたはずの雑草がわんさか生えてきました。よく伸びる雑草とは対照的に私の心はポッキリ折れて本年度の園芸は終了しました。青々とした事務所の庭をより綺麗にしたい獣医師をお待ちしています(?)
 夏といえばBBQ!弊社でも何度か行いました。思い返せば春から定期的に開催されていました。会社の皆さんBBQへのモチベーション高めなので仕事の少ない午後に急に始まったりもします。仕事の時とは少し違う表情や会話がみられる個人的に好きなイベントです。
 もう一つ、弊社インスタグラムをご覧いただいている方はご存知かもしれませんが社内イベントとして高級コテージ旅行がありました!福利厚生が非常に充実しているのも弊社の魅力です。詳しくは是非インスタグラムの方をご覧ください。インスタグラムでは随行や業務の様子も投稿しています!(https://www.instagram.com/ligvets_/?hl=ja)

                      自分の診療車完成!やっぱり嬉しい


                    一瞬綺麗になった庭をここに残します(泣)


                      事務所横の小麦畑で夏を感じました


 夏に比べると診療は少し落ち着いていたこの時期は受精卵移植の経験値を底上げしていました。未経産・経産・ホルスタイン・ジャージー・黒毛、様々なレシピエントにチャレンジし時には先輩にヘルプをお願いすることもありました。思ったように頸管を通せないときは焦りも感じますがどの農家様も優しく見守ってくださり、人に恵まれた環境で成長させていただいていると改めて実感しました。技術的に未熟な部分はありますが今後結果でお返しできるよう努めて参ります。
 春から少しずつ助手として入っていた手術は第四胃変位整復術に限って現場で単独執刀できるようになりました。手技は変わらずとも後ろに先輩がいるかいないかの違いはとても大きく未だに緊張しながらの手術です。数件一人で執刀しましたがまだ目標の時間内で終わらせることは叶わず、丁寧さと素早さの両立が今後の課題です。前日に手術した牛が餌を食べているのを見たときは嬉しさがこみ上げてきます。農家様のお役に立つのはもちろんですが、やはり牛が元気になってゆく姿がこの仕事のやりがいを感じる瞬間です。その他の手術に関してはまだ経験数が足りず一人で行うことはできませんが最低でも診断まではできるよう勉強を続けてまいります。
 実りの秋(に限らずですが)、農家様からたくさんの野菜やお肉をいただきました。どれもお店に並ぶかそれ以上のものばかりでとてもおいしくいただくことができました。BBQの一品にさせていただいたこともあります。ごちそうさまでした。近くの農家様のご助力あって、事務所の畑でも数種類野菜が採れました。どれもおいしかったですが、一番印象に残ったのは蟇目社長のフライドポテトです。社員しか食べることのできない美味なフライドポテトでした。気になる方は是非実習へ!

                        ポテトを揚げる蟇目社長


 十勝の冬はなかなか雪が降りませんが気温はしっかり下がるので窓からの景色につい騙されます。未だに適切な診療着が見つからず場面によって脱ぎ着しています。本当はずっと厚い上着を着ていたいのですがそうもいかないのが大動物臨床獣医師です(たぶん)。暖かいけど厚手でなく邪魔にならない、そんなスタイルを探し求めてこの冬は色々工夫してみようと思います。
 一人での業務にも慣れてきた今日この頃、慣れてきたからこそ見返しが必要な時期だと考えています。自分の治療方針・各手技・畜産に関する様々な知識について、改めて先輩の意見を頂戴したり足りていない部分は勉強や練習で補ったりしていく必要があります。この半年間でできるようになったことは自信にしつつも胡坐をかかず貪欲に獣医療に向き合っていく所存です。最近の個人的なトレンドは「抗生物質の適正使用」についてで各疾患・各抗生剤において効果的かつ耐性菌を考慮した使用法を模索していきたいと考えています。いずれその内容についても記事にして皆様と共有できたらと思っておりますのでホームページのチェックもよろしくお願いいたします。

                     獣医師は体が資本!皆さんトレーニーです

まとめ
 ありきたりですが本当にあっという間の半年間でした。これから半年もすぐに過ぎて気が付けば二年目獣医師になっていると考えると身が引き締まる思いです。経過した時間に自分の成長が見合っているか不安になることもありますが、毎日少しでも成長できるよう集中し楽しみながら業務に取り組んでいきたいと思います。この半年間、健康に仕事に取り組めたのは最高のサポートをしてくださる会社の皆様、新人の私を暖かく迎え育ててくださる農家の皆様、獣医師として未熟な私と共にお仕事してくださる関係者の皆様、全ての方々の支えあってのことです。この場をお借りして深く感謝申し上げます。まだ始まったばかりの獣医人生ですがこれからも業務に尽力してまいりますので今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 記事を書き始めたのは12月上旬でしたが気が付けば年末になってしまいました。診療以外の仕事も素早くこなすというのも来年の目標にしたいと思います。来年は今年以上に牛も人も健康で幸せな一年になりますよう、願うだけでなく獣医師としてできることを全ういたします。ここまでお読みいただきありがとうございました。それでは皆様よいお年をお過ごしください。

文責:後藤

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